植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

僕らの微小重力実験塔が表彰されたよ!

先月、日本マイクログラビティ応用学会というもので、
僕らの微小重力実験塔が「貢献章」をいただきました。
 
表彰式には、僕の会社の、いつもタワーを整備して、
来てくれた方々の実験のサポートをしているメンバーがいきました。
 
なにせ、本格的な学会で、そうそうたる教授方が沢山いる中での表彰式で、相当に緊張したそうです。
でも、よくよくみたら、大勢のなかの、半分とまでもいかないかもしれないけど、過去に実験で関わった先生達だったそうで、
とても安心できたと言っていました。
 
表彰もとてもうれしいことですが、
実験に来てくれていた学生さんが、ドイツのブレーメン大学の実験塔に行ったときの話をしてくれたのが、うれしかったそうです。
なんでも、ドイツのタワーのてっぺんは、展望台になってるのだそうですが、その床に矢印が書いてあって、「この先に、日本の実験塔がある」と書かれていたそうです。
涙が出ます。
 
実験塔を作るとき、銀行からお金を借りようとしたら、
「夢があっていいですね」と一蹴されました。
でも、その銀行の方々がいろんな手を尽くしてくれて、
なんとか完成した実験塔。
世界でも珍しい、「個人名義」の実験塔。
台風で大きな被害を受けたこともありました。
冬にはとても寒い実験塔でした。
でも、だんだん改良されて、改善されて、
多くの人が実験に来てくれるようになりました。
 
実験自体で儲けようとは思いません。
でも、実験に来てくださる方々との人脈と、実験をお手伝いさせていただくことで得られる知恵と経験こそが、
お金に換えられない資本になっています。
 
これからの世界では、単純作業はロボットがやってしまいます。
人間は、ロボットにできない事をしないといけません。
それは、おそらく、研究や開発です。もっと簡単に言うと、
「よりよくの追求」です。
でも、お金の損得だけで考えたら、やったことがないことを試すためのコストは損になることが多いです。だから、開発できません。
知恵と経験と人脈を、いかに価値と見なすのかが重要です。
このタワーは、それを実践証明してくれていると思います。
 
これからも、様々な分野の、「よりよくの追求」を
会社のみんなでサポートしていきます。

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