植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

ドリームキラーに負けるものか。

植松電機は、2000年までは自動車の電機装備品を修理する仕事をしていました。
しかし、廃車から中古部品を取り外して販売する方法が普及したとたんに、部品を修理するという仕事は消えていきました。

そのため、リサイクルという仕事に使われるマグネットを作ります。
もちろん、マグネット自体は、歴史は古く、遥か昔から使われています。日本にも老舗のメーカーもたくさんあります。
でも、僕は、そういう製品のことを、まったく知りませんでした。
僕は、電気のことは、学校で学んだE=IR程度の知識しかなかったし、マグネットに関しては、本当にまったく知らないのです。
でも、リサイクルの現場では、危険な環境で、
人間がパワーショベルががんがん動く側で、手作業で金属屑を
拾っているのです。
この危険な作業を、なんとかできないかな、と考えて、
独自に勝手にマグネットを研究していきます。

マグネットは、大きくして、重たくして、電気を食わせれば強くなります。それは、間違いないです。
でも僕は、そういうセオリーも王道も知りませんでした。
だから、僕は、リサイクルの現場では、小型で、軽くて、省エネルギーなマグネットが適すると考えて、その方向を探究します。

その結果、従来製品とは、まったく違う性質のマグネットが出来上がりました。

しかし、世の中に無いものを販売するのは困難です。
そもそも、ニーズがありません。だれもしりません。
だから、知ってもらう努力からはじめなければいけませんでした。

しかし、パンフレットを作るにも、コマーシャルビデオを作るにも、
お金がすごくかかります。
だから、自分で作りました。
タイミングよく、カラープリンターやパソコンの性能が急激に向上してくれました。

だれもしらない製品だから、営業もうまくいきません。
だから、自分でやることになりました。
アフターサービスもうまくいきません。
だから、自分たちでやりました。

それは、周囲の製造業の方々から見たら、「そこまでする必要あるの?」だったと思います。
でも僕は、製造業すらやったことがなかったのです。
だから、常識を知りません。だから、なんでもやりました。

その結果、植松電機のマグネットは、進化し成長し、
リサイクルという市場においては、日本中で使っていただけるようになりました。

でもそれは、「なった」のではないです。「した」のです。

残念ながら、僕がやる宇宙開発や、子ども達のための事業を、
「儲かる仕事があるからできているんであって、普通の人には無理です。」と言ってくれる人もいます。
でも、「儲かる仕事がある」のではなく、「儲かるように努力し続けているのです。」

伝記の人達のことも、「あの人達は特別だよ。自分なんて普通だから、むりむり。」と言ってしまう人もいます。
でも僕は、「昔の人ができたんだから、自分もできるかも。」と思うのです。

幼稚園の子達に伝記の人の話しをすると、
みんな、目が輝いて、自分もがんばる!と言ってくれます。
しかし、大人は、「自分なんて・・・どーせ無理・・・」と言います。
そうなるためのプロセスが、必ずあるはずです。
そこには、あきらめ方を教える、あきらめた人達がいます。
その結果、いかに多くの人が、「自分なんて・・・どーせ無理・・・」の連鎖に組み込まれてしまうことか・・・

僕は、「どーせ無理」を無くしたいのです。
自信剥奪の連鎖を、可能性剥奪の連を、断ち切りたいです。
そのために、人生を遣います。
それを、「そんなことする余裕あっていいね」と言われると、
かなり凹みますが、
凹んでるひまなんかないです。
根拠の無い憶測の評論のドリームキラーに、僕が負けてどうするか。

僕は、負けないです。
だから、ともにがんばろうね。