植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

「失敗は許されない!」じゃなくて。

フォルクスワーゲンとか、
傾いたマンションとか、
防振ゴムの問題とか、
普通に考えたら、「ばれたらとても大変なことになる」ことが、
ばれてます。

この世には、「絶対ばれない」ことはなかなかないです。

「絶対ばれないから大丈夫」という言葉で、
不正を含む儲け話に乗ってしまったら、そこでアウトです。
だって、不正話を持ちかけた人にはばれてるんだもん。
その人が、別な人に、その情報を渡して、
別な人から「ばらされたくなければ・・・」と脅されるのは
目に見えています。

人間が関わる限り、完璧に守れる情報はないと思います。
その人間が、情報を漏らそうと思ったら、漏らせます。
(だから、マイナンバーの脆弱性が不安です。)

でも、そんなことは、たいていの人が知っています。
だのに、なぜ、ばれることをかくすのか。

それはきっと、過度の高圧的な要求によるものかもしれません。

かつて、某国で、農業生産高の厳しいノルマが課せられた地域は、
そのノルマを達成するために、数字を改ざんします。
その結果、実際には飢饉なのに、豊作という結果になり、
大勢が餓死したと言われています。
この原因は、「過度のノルマ」と「厳しい罰」かもしれません。

「背水の陣」という言葉があります。
退路が無ければ必死になって、実力以上を発揮する、という意味で使われることがあると思いますが、
それって、ソビエトの督戦隊とたいしてかわらないかも。
ジュード・ロウさんの主演の「スターリングラード」という映画でも描かれましたが、
味方が退却しないように、味方を撃つ部隊が後方に控えていました。
これでは、必死になってもどうにもならない相手の場合には、全滅してしまいます。

もしかしたら、今回の不正疑惑の会社は、
「過度のノルマ」や「厳しい罰」があったのかもしれません。
そのストレスにさらされた人は、正しい判断ができなくなり、
してはならないことをやってしまうのかもしれません。

それは、ビジネス以外でもあり得ると思います。
「失敗が許されない」受験とか。
「失敗が許されない」就活とか。
これは、人の心を壊してしまう可能性があります。

実際には、人間が関わる限り、「失敗」はあり得ます。
大事なのは、「失敗したときにどうするか」という準備です。
ノルマが達成できなかったら、どうするのか?
受験に失敗したら、どうするのか?
それを考えもせず、いたずらに「失敗は許されない!」なんて思い込むと、それは、前方からも、後方からも撃たれる兵士状態かも。

「失敗は許されない」では、最後は「切腹」か「玉砕」です。

「成功率を高めよう」だと、できることがたくさん増えます。

と、僕は思っています。