植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

ベーシックインカムは成り立つか?

最近、ベーシックインカム、という言葉を耳にすることが多くなりました。
 
でも、ベーシックインカムで、心配されているのは、
もしも毎月、食べていけるだけのお金がもらえたら、人は働くのだろうか?だそうです。
 
これは「働く」ということを、どのように教えているか?で結果は大きく違ってくるでしょう。
 
もしも、「働く」ということを
「いうことをきいて、お金をもらうこと。」というように教えてしまったら、
お金がもらえた段階で、働かなくなると思います。
そして、今の日本では、そうやって教えてしまう大人が多いです。
 
でも、「働く」ということを、「人や社会の役にたつこと」と教えたならば、生活が保障されている分、心配なく能力を発揮して働くことができるでしょう。
 
僕は、会社を経営しています。会社をつぶさないように気を付けながら、会社の仲間の生活が守れるように気を付けながら、かなり慎重に、僕の夢である、「人の自信や可能性が奪われない社会」を作ろうとしています。
これがもし、なんの心配も無くなったら、今まで以上に開発や研究に打ち込めるだろうなあ・・・と思います。
 
もちろん、その場合でも、僕は一人ぼっちでは力が足りません。だから、やっぱり仲間が必要です。いまの植松電機の仲間は、本当に信頼できる頼りになる仲間です。
 
本来、社会というものは、上下関係など無い状態で、人が力を合わせるものです。
でも、学校や、会社では、軍隊式の命令システムが健在です。
そこでは、「人の役にたつ」=「いうことをきく」になってしまいます。
おそらく、この概念のままでは、ベーシックインカムは成り立たないと思います。
同時に、「時間給」という概念も、ベーシックインカムを不成立にします。なぜなら、収入が一定なら、アウトプット(働く時間)も一定にしないと損をする、という考えにつながってしまうからです。
 
ベーシックインカムを成り立たせるためには、
「働く」という概念の考え方がとても大事です。
そしてそれは同時に、ワークライフバランスにも直結します。
日本の教育や労働の制度は、この大きなパラダイムシフトに、このままでは適合できないのだろうなと思います。