植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

教え惜しみする人の話しは、やっとこ聴いても無駄なことが多いよ。

起業したい!という人は、たまにいます。

僕は、応援します。

自分がして来た失敗と、その乗り越え方が、
その人に役に立つならば、いくらでも教えます。

まあ、残念ながら、起業することが目的になっている場合は、
起業できないで終わることが多いんですけどね。

起業する時に、最も重要なのは、資本金です。
でも、いまは、起業時の資本金は少なくてもいいから楽ですね。
昔は、1千万円を用意しなければいけませんでした。

植松電機は、昔は芦別にありました。
父さんの経営していた、自動車電装品修理業の会社です。
たった一人の会社ですから、自宅兼工場です。
工場は、とても狭く、暖房もありませんでした。
そこでは、電磁石の製造は、わずかな数なら可能でしたが、
たくさんの注文となると、製造不可能でした。
だから、赤平に移転して新工場を作ることになりましたが、
工場をつくれたのは、銀行からお金を借りられたからです。

そして、銀行からお金を借りられたのは、
小さい工場で、できる限りの実績を積み、
取引先からの注文書という実績を得ていたからです。

いくら収入がある。いくら原価がかかる。いくら利益が上がる。
それが、どのくらいの期間続く。
だから、これだけ借金しても、これだけのペースで、利息を付けて返すことができる。
という足し算引き算を満たすことができれば銀行は
お金を貸してくれます。(と思います。)
普通、借金をしようとすると、銀行は、過去三期分の決算書を出せ、ともいいますが、
それよりも、取引先の注文書の方がパワーがあります。(と思います。)

あとは、うまい話しに乗らなければ、たいていは大丈夫です。

起業したければ、まず、起業前にできる限りの実績を積むことが、
起業のために最も有効です。
会社組織じゃなくたって、自分でできることがあります。
それをしないで、「起業ありき」では、実績が無いから、
銀行などの支援を受けられないでしょう。
もちろん、銀行の支援を受けない方法もありますが、
いまは、銀行の資金が、最も低金利なような気がしますけどね。
クラウドファウンディングもありますけど、
クラウドファゥンディングの審査を突破する資料があれば、
銀行もたいてい大丈夫だと思います。
(お金を貸してくれるハードルが低ければ低いほど、金利は高くなります。そして、事業の成功立も低下します。)

しかし、起業しようとする人に、
「起業は甘くないよ!」
「起業は難しいよ!」
「起業は、そんなに簡単じゃないよ!」
「そんな安易な気持ちでできることじゃないよ!」
などと、アドバイスをしてくれる人もいます。
いやそりゃね、その人の人となりなどを、十分に知っていて、
その人がやろうとする起業の分野の仕事を、今も自分がしていてね、
十分にその業界のことなどを把握しているのであれば、
困難についての説明はできると思うけど、
十分困難を把握しているのならば、
それの突破の仕方も知ってるはずです。
それを教えてあげたらいいじゃん。

僕が知っている限り、
「起業は甘くない!」とか言う人は、たいてい、
問題を解決できていない人です。
目の前の問題を、解決しないままの人は、
解決のしかたがわからないから、
「大変だ」「問題だ」としか言えません。
そういうアドバイスは、聴くだけ無駄です。

僕は、「お前そんなことも知らないの!?」という言葉が嫌いです。
その言葉を言って、どうしたいの?
知らない「お前」に対して、知ってる自分が偉い、とでもいいたいの?
知らないんならば、教えてあげればいいじゃない。


起業したい!と思うのならば、
まずは、同じ分野でがんばる先輩のアドバイスをもらうのが一番です。
ただし同業他社として、同じパイを奪い合うようなビジネスの場合には、応援も支援もしてもらえないけどね。
そして、アドバイスをもらうとき、
「甘くない」「難しい」「大変だ」などなど、
問題ばかりを挙げ連ねる人のアドバイスは聴いても無駄です。
その問題の、乗り越え方を教えてくれる人の話しを聞けばいいです。

ただ、最初にも書きましたが、
「起業」は手段です。目的ではありません。
そして、場合によっては、株式会社じゃない方がいいこともあります。
自分が、何をしたいのかを、まずは明確にし、事業計画を作り、
その事業計画を推進するために必要であれば、起業したらいいと思います。

起業数が廃業数より少ない日本ですから、
起業する人を応援するほうが経済規模拡大のために効果的です。
だから、起業したい人は、支えた方がいいと、僕は思います。