植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

「人の役にたつ」とは「言うことを聞く」ではないよ。

人の役にたちたい、という人が沢山います。
素晴らしい事です。
 
でも、ほとんどの人が、「人の役にたつ」=「従順に言うことを聞く」だと思い込まされています。
なぜなら、そう教えられるからです。
 
でも実は、「僕は何をすればいいんですか?」「指示されれば、指示通りにやりますよ。」で、できる仕事は、誰でもできるから、一番安い人が選ばれるだけです。というか、ロボットに負けます。これは、雇う側にとっては都合がいいかもしれないけど、人の役にたつ、という状態とは、ちょっとちがう気がします。

 
先日、オーロラ撮影家(というのかな?)の方が、同友会の勉強会で植松電機に来てくれました。
もちろん、その美しい映像も、興味深いお話しも素晴らしかったのですが、
僕が気になったのは、一緒に来ていた助手(?)の方です。
彼女は、僕が暗幕を貼ろうと思ったら、もうすでに養生テープを切って、すぐそばにスタンバイしてくれていました。
指示や命令をしなくても、彼女は自分で考えています。そして、「どうすべきか?」のベクトルを、僕にうまく合わせてくれるから、僕の期待したことが先回りで準備されていました。
 
重要なのは、「指示を待つ」ではなく、「どうすべきか?」を自分で考え、「自分ならどうするか?」「あの人はどうしようとしてるのか?」を考える事だと思います。
 
そういう人に、たまに出会います。
そういう人とは、一緒に仕事したいなあ、と思います。
ちなみに、手前味噌で申し訳ないですが、僕の会社の仲間は、だいたいそんな感じです。
1つ言えば、10になって帰ってくる感じです。
(だから、僕の会社では、「僕は何をすればいいんですか?」という人は、仕事がないです。)

 
そのためか、僕の会社には、俗に言う大手企業の方々も調査に来ます。
どうすれば、そういう人が育つのかを調べに来るのです。
で、僕の答えは「放置」です。
任せて、頼って、感謝する。です。命令ではなく、お願いと、相談と、交渉です。
そう言うと、たいていの人は、困った顔をして帰っていきます。
しょうがないね。だって、彼らはすでにピラミッド型の組織になっています。
その組織を維持するために必要なのは、上意下達の「教育」です。
でも僕は、「教育」は、思考力や主体性にとってはマイナスに作用する事が多いと思います。
僕の会社でそれが成り立つのは、ピラミッド型の組織を作っていないからです。
(それはそれで、あまり大きな組織にできない可能性があるけど、僕はそんなにでかい組織にするつもりはないので無問題です。)
 
この2年ほどで、驚くほど世の中は変わっています。
素直とまじめと勤勉は、ロボットに負ける時代になりました。
だからこそ、「教育」に代わる、新しい「人材育成」の方法が必要なんだろうと思います。
(ってことは、福沢諭吉も言ってたりするんだけどね。詳しくは、福沢諭吉の、「教育の目的」ってのをググってみましょう。)