植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

なんて素敵な子達でしょう。

今日は兵庫県の工業高校の二年生の皆さんが
会社に体験学習に来てくださいました。

この学校には、2年前に周年事業の記念講演でよんでいただいたのですが、そのあと、修学旅行でも来てくださるようになりました。

全員に、モデルロケットを作っていただきました。
例によって、作り方は教えません方式です。
しかし、さすが工業高校、おそらく、過去最短時間で
機体を組み上げました。
しかも、デザインもすばらしいです。
特に、デザインのクラスの子達のロケットは、
手書きとは思えないほどに素敵です。
いったい、普段、どんな授業を受けているのでしょう。

この学校には、たくさんのコースがありました。
それらのコースのみんなが、力をあわせたら、
容易に会社が作れちゃうそうなほどです。

冬の北海道は日暮れがはやいので、
通常とはスケジュールを変更しました。
僕のお話は最後になりました。
みんな疲れているだろうに、すごく一生懸命に聞いてくれました。
その、まなざしの強さに、感動しました。

僕は、中学生の時に、進路指導の先生に、
「お前は頭が悪いから普通高校に行ったって、どうせついていけない。だから、工業高校に行け。」と言われました。
僕は、子ども心に、この先生はおかしなことを言っていると思いました。
でも、残念ながら、いまだに、こういう進路指導をおこなう先生は少なくありません。
そういう人達は、作業服を着て働く仕事を「勉強しないとああなるぞ」と言う人達です。
そういう人達の、おかしな偏見や差別が、普通高校じゃない高校に行く子達を苦しめてしまうことがあります。

僕は、物を生み出す仕事に誇りを持っています。
無ければ、作れます。
この世にないものを、形にできる仕事です。
お金で買えないものを、形にできる仕事です。

お金で買えるもので勝負すると、
自分より金持ちに、必ず負けます。
だから、お金が欲しくなります。

でも、お金で買えないもので勝負したら、
能力や経験で勝つことができます。

旭山動物園が、今ほどの人気になったのは、
設備投資をたくさんしたからではありません。
設備投資できるようになった原点があります。
それは、飼育員の方達が、自分たちの手作りで、
動物達のことを説明するパネルなどを充実させたからです。
そのおかげでお客さんが増えて、設備投資ができるようになったのです。
今の旭山動物園の繁栄のスタートは、手作りです。
働いている人達個々人の努力です。

本屋さんで本を買う時だって、
店員さんの手書きの推薦書きがあったりしたら、
買う気がうんと高まります。
これは、立派な価値です。ものづくりです。

今日来てくれた高校生たちは、
きっと、素晴らしいことを成すでしょう。
日本の大切な力です。
この子達を支えてくれている先生もまた素晴らしい方達でした。
(例によって、素晴らしい学校のパターンどおりに、威圧的でなく、命令的でなく、指示が的確で簡潔です。そして、笑顔が素敵です。)
(僕が嫌だと感じる学校の先生達は、しかめっ面で、威圧的で、命令が多く、しかも、だらだら愚痴いいながら命令するから、生徒は聞いちゃいなくて、だからさらに混乱して、さらに先生が怒って・・・という悪循環に陥っています。)


全国の中小企業では、いま、人財確保が本当に大変です。
でもね、こういう素晴らしい工業高校の子達は、
間違いなく素晴らしい戦力になります。

今日来てくれた子達は、明日はスキー学習だそうです。
どうか、天気が荒れませんように。
彼らが、楽しい新しい経験を積んで、自信を増やして、
もっと優しくなれますように。
一生懸命に祈ります。