植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

大学に価値はあるのか?(昔よりは、ざっくり1/4くらいに目減りしてるみたい)

ふと考えてみたら、近隣でも高校がどんどん統廃合されてるのに、
大学って減らないですね。
 
調べてみたら、僕が受験した頃と比べて、浪人生の数はおおよそ半分になってました。
 
高校の生徒数は減っているのに、推薦枠は小さくならないから、
推薦で大学に行ける人の割合は、相対的に増えてる感じ。
 
もう、大学進学は「普通」な感じかも。
(まさに、「普通科」の進学先)
 
てことは、大学進学の優位性は、どんどん低下してるって事です。
 
希少だから価値があったものが、
数が増えれば価値が下がるのは、これはもう、当たり前です。
 
調べてみたら、僕が進学した1984年頃の大学進学率は24%程度。
現在は52%程度。
進学率が2倍。てことは、大学進学の希少価値は半分かな。
ちなみに、この間に、学費はおおよそ2倍になってます。
ということは、投資した金額あたりの価値は、約1/4ですね。
 
そりゃ、大学進学は無意味だ、なんて言う人がいるのもうなずけます。
 
でも、僕の経験では、僕は大学で衝撃を覚えています。
高校であれほど理解に苦しんだ数学も物理も英語も、
大学に行ったら、輝きました。するっとわかりました。
なぜなら、大学の授業は、意味を考える授業だったからです。
そのとき、「高校の受験対策の暗記型授業こそ無意味だ」と心底思いました。それに気がつけて良かったです。
ただし、残念ながら、大学では、僕が学びたかったことは、授業では教えてもらえませんでした。
でも、大学には、素晴らしい図書室がありました。
そこには、もうすでに手に入らない本が山ほどありました。
それを、ナンボ読んでも、成績には関係ないです。でも、読んでもいいです。
そして僕は、とれる限り授業をとりました。だって、同じお金払うなら、沢山授業受けた方がいいです。でも、途中で「時間の無駄」と感じた授業には行かなくなりました。だから僕の成績表は、「優」も沢山あったけど、「不可」も沢山あったそうです。就職の時に、採用の係の人から「なんでこんなに不可があるの?」とあきれられました。
 
また僕は、大学で、「測定」を学びました。
これは、今もすごく役にたっています。
 
だから僕は、大学は無意味だと思わないです。
でも、自分の知りたいことややりたいことを、もっと深く掘り下げるために活用するつもりで進学しないと、時間もお金も無意味になると思います。
偏差値で入れそうな所にはいる、のは、ものすごく危険だと思います。
 
でも、いまの高校では、「知りたい」と「やりたい」を持つヒマもないほどに、部活と勉強が忙しすぎます。
僕は高校時代は部活はほとんどやっていません。自分の好きなことをやっていました。それは、まちがいなく、進学後にすごい力になりました。
 
勉強について、「数学なんて社会に出てから何の役にもたたない!」なんて言う人もいますが、それは、あなたが数学を役立たせる生き方をしていないだけですよ、と思います。
僕は、数学の成績は悪かったけど、数学はいまの生活にすごく役にたってます。というか、必要です。
 
 
大学を無価値にするのか、価値にするのか、それは、それぞれの生き方にかかってるかもしれません。
でもきっと、自分への投資を価値にできる生き方をしたほうがいいと思います。
だって、それができないってことは、成長しないって事だから、年々性能が向上するロボットに負けるし、成長する後輩にも負けるって事です。
まあ、だからこそ、後輩をいじめて、成長しないように押さえつけてる先輩や上司もいますけど、そういう人は、その組織にとって害悪ですから、排除しないと会社がまずいです。
 
僕は、大学の価値を活かせる人を育成することが、保護者と、中学高校の大事な役目じゃないかなと思っています。