お金が欲しい、のはなぜか？

「将来、お金持ちになりたい。」
と言った子がいました。

「なんで？」と尋ねたら、
「入院しているおばあちゃんを助けたいから。」
と答えました。

「だったらさあ、いろんな方法で、いますぐにでもおばあちゃんを助けられるよね。たとえばさ、お手紙書いたりとかさ。」と言ったら、
「そうだ。手紙を書こう。」と言ってくれました。




「お金持ちになりたい」と言った人がいました。
「なんで？」と尋ねたら、
「え？」と驚いた顔で聞き返されました。

「いや、そのお金をさ、なんにつかうのかな、と思って。」と補足したら、
「え？　あれ？」と、戸惑っていました。

よくよく聞いていると、
お金をつかうと減ってしまうので、つかわないで、なるべく沢山増やしたいようです。
彼の夢は「お金持ち」という状態のようです。
彼は、お金持ちになるために、人生の大半の時間を、
本も読まず、遊びもせず、お金を稼ぐことに費やしていました。




夢があるとしたら、「なぜそれをやりたいのか」は、
時々考えた方がいいと思います。
もしかしたら、夢ではなく、手段を追いかけている可能性もあるからです。

まわりの人が「夢」だと言ってるからって、
それが自分の「夢」とはかぎりません。本当の「夢」かもわかりません。
時には「夢」を売りつけられたりすることもあります。

お金で買える夢は、誰かがしてくれるサービスです。
でも、誰かができることは、自分でできることも多いです。
そして、自分でやった方が、安いことも多いです。
そして、自分がやった方がいいこともあります。


僕には、夢が沢山あります。
その夢は、ほとんどが、お金では買えないです。
だから、僕はお金ではなく、能力が欲しいです。
だから、僕は、お金を、能力になるようにつかいます。
だから僕は、お金持ちになれないと思います。


夢も、仕事も、「なぜそれをやりたいのか？」は、
ときどき、ちょっと深く考える時間を作った方がいいと思います。