植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

いい人はいる。

今日来てくれた学校の子達は、
とてもほがらかでした。

僕は、子どもや先生を褒めるときに、「ほがらか」という表現をよく使っていると思いますが、僕は「ほがらか」が好きです。
柔らかい優しい笑顔や表情が自然に出るって、素晴らしい環境だと思います。
その環境ごとひっくるめて、「ほがらか」が好きです。

ロケットの打ち上げも無事に終わり、
プログラムが全部終わり、
最後に、「先生からのお話」というのがありました。

ちょっと緊張しました。
だって、あんまりないですもん。「先生からのお話」
そして、過去の経験でいくと、あんまりいい経験が無いです。

「おまえ達の、悪かった点を二つ言うぞ。まずはなあ、これこれがダメだ。全くダメだ。いつも言ってるのに。全然出来てない。そんなことでは、これからの人生が大変だ。いいか、わかったか。
次は、これもダメだ。全くダメだ。以下同文。」

こういうことを言われている生徒を見てると、興味深いです。
まず、ちゃんと出来ていた子達は、がっかりします。
80%ダメだけど、20%がんばった子達も、がっかりします。
そして、100%ふざけていた子達は、確信犯ですから、なんぼ文句言われたって、めんどくせえなあ、という顔をしているだけです。
ということは、生徒全体をにらみつけながらする「ダメだし」には、いい効果がなさそうな感じです。

そのパターンなら、いやだなあ・・・と思いました。

でも、いい方向で裏切られました。

先生は、「みんなの良かったところを二つ話します」と言ってくれたのです。
みんなが助け合ってロケットを作ったこと。
みんなが僕の話を、うなずきながら真剣に聞いてくれたこと。
それを先生が、うれしそうに褒めていました。
僕も、泣きたくなるほどうれしかったです。
いい先生に支えられてるみんなは、幸せだよ。

僕は、子ども達に、
「夢を叶えるためには、やったことがある人と仲良くなったらいいよ。
そのためには、出会う人出会う人に、自分の夢をしゃべったらいいよ。
でも、嫌だよね。
自分の夢は、馬鹿にされるかもしれない。否定されるかもしれない。からかわれて、いじめられるかもしれない。
そんな嫌な思いを二度としたくないから、自分の夢は人に話したくない、という人もいるかもね。
でも、聞いてくれた人の中には、支えてくれる人がいるかもしれない。その人と出会う可能性を失うのはもったいないから、
なんぼ馬鹿にされようが、否定されようが、涙をぬぐって、
支えてくれる人に出会えるまでしゃべり続けるんだよ。」
と話しています。

実はこれは、いじめや虐待やDVの犠牲者を救うための方法です。
信じてくれる人に出会えるまで、相談し続けることが、とても大事です。
「そんなの気にするな」とか「嫌なら別れればいいのに」とか、
「甘やかしたからそうなったのだ」とか「やられるあんたにも原因があるんじゃないの?」とか、まあ、ろくでもないアドバイスをしてくれる人は沢山います。
そういう人に出会ってしまったら、ただでさえつらい心が、もっと傷ついて、もう、人に相談さえ出来なくなることがあります。
でも、だからこそ、信じてくれる人に出会えるまで、話し続けた方がいいのです。

世の中には、ひどい大人が沢山います。
でも、まともな大人も沢山います。
大事なのは、まともな大人と仲良くなることです。
そのためにも、夢も、悩みも、支えてくれる人に出会えるまで、しゃべり続けた方がいいです。

だって、こんなにいい先生もいるんだもん。

ほんと、世の中は、意外と捨てたもんじゃない。
って、思えたら、生きる希望がわいてきます。