新人にお話しをする先輩へのお願い。
いまは、新入社員研修の季節だと思います。
新入社員研修と言えば、先輩からのありがたい経験談を聞くこともあるかと思います。
で、そのありがたいお話しをする先輩にお願いがあります。
話、盛らないでください。
年齢を重ねれば重ねるほど、特盛りになってる人が少なくないですが、
それ、新人どん引きですから。
僕は、中学生くらいの頃に、戦争経験者の手記を読むのが好きになりました。
一番最初に出会ったのは、フランス空軍のピエール・クロステルマンさんの手記でした。
それがまた、きっと翻訳した人の言語能力も素晴らしかったのだと思うのですが、
戦争の厳しさや、飛行機の美しさなどを、とても素晴らしく僕に伝えてくれました。
調べてみたら、日本人もずいぶん戦争の手記を残しています。
で、読んでみました。
すると、なんとも違和感を感じたのです。
日本人、勇敢すぎ。強すぎ。超人的。
群がる敵を、ばったばったとやっつけたお話しが沢山です。
で、史実を調べてみたら、敵味方の損害数が、どうしても勘定が合わないです。
ちなみに、ばったばった、という意味では、ドイツのルーデルさんや、ハルトマンさんもすごいのですが、彼らの手記には、誇大な表現がとても少なく、控えめに感じられました。
うちの父さんは昭和一桁ですが、その頃の人達は、「寝ないでで働く」が美徳のようです。
だから、一週間徹夜したとか、一ヶ月徹夜したとか、普通におっしゃいますが、
生物学的にそれは無理です。どこかで寝てます。
うちの父さんは、夜、工場の電気をつけて、ソファーで寝てました。
でも、近所の人から、昨日も遅くまで電気ついてましたね、と言われたら、喜んでました。
おまけに、徹夜続きで、フルパワーがでるわけ無いです。8割頭どころか、半分以下になってるでしょう。そんな状態で仕事するのは、ある意味、仕事に失礼です。
昔の常識を、いま押しつけられても困ります。
おまけに、その常識が、特盛りだったりしたら、それがもう、情報ではなく、ただの自慢に過ぎないです。
他人の苦労話は、参考になることが多いですが、
参考になる苦労話は、苦労を乗り越えた方法や考え方が学べる場合です。
「努力と根性で乗り越えた」と言われても、情報の価値はほどんとないです。
だから、新人にお話しをする先輩にお願いです。
なんのために話すのかを、しっかり考えてください。
自分の話すことは、情報かな?それとも自慢かな?
ぜひ、新人にとって有益な「情報」を提供してあげてほしいです。
そのためには、その場の思いつきでしゃべるんじゃなくて、ちゃんと一度、紙に下書きしてからの方がいいと思います。そして、翌日読み返して見てください。
ラブレターと一緒ですよ。