植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

9月30日は植松電機でスペースプローブコンテスト!

来る9月30日は、スペースプローブコンテストです。
 
場所は、植松電機。
 
ロケットや探査機に興味がある人達が集うイベントです。
 
今年から、探査機部門と、ロケット部門に分かれました。
 
探査機部門は、言うなれば、空飛ぶロボコンです。
与えられたミッションを、空中で飛行しながら達成します。
今年のミッションは、目的地付近への着陸です。
これは、惑星探査などで、目標地点に着陸することをシミュレーションするものと同時に、
災害時に、被害にあった人を見つけ出し、そのそばに補給物資や、救助信号マーカーなどを自動的に落とすドローンなどの技術にも活かせる技術です。
 
今年は、6チーム参加です。
それぞれが、おもしろい技術とアイデアを持ち寄ります。
きっと、見るだけでもおもしろいと思います。
この6チームの探査機を打ち上げるのは、カムイロケット。
本物のロケットが6回打ち上がります。
もちろん、場所の制限から、あんまり高く上げられませんが、
本物のロケットエンジンの迫力を感じられます。
 
また、今年からのロケット部門は、
僕が以前からどうしてもやりたかった部門です。
 
ロケットは、重力とけんかする機械です。
だから、軽さの追求はとても重要です。
ということで、このロケット部門は、
B6-4のエンジンで、40m打ち上げます。
40mを越えても、足りなくても、ペナルティです。
その上で、一番体積の大きいロケットの勝利です。
ようするに、できるだけ、軽いロケットを作りましょう、ということです。
 
スペースプローブのHPの下の方に、サンプルロケットがダウンロード出来るようになっています。
CAMUI-1500型は、B6-4で40mほどあがります。
正直なところ、この機体をつくって持ってくるだけでも、参加資格はオッケーです!
この機体をベースにして、たとえば、薄い紙で、拡大コピーしてつくったら、優勝を狙えるかも!
もちろん、材質は、紙じゃなくても大丈夫。
(ただし、ヘリウムを詰めるとかはなしです)
 
あとやく一ヶ月。まだ準備は間に合うよ。
探査機部門は大変かもしれないけど、ロケット部門はエントリーは難しくありません。
年齢制限もないよ。大人も、そして親子でも挑戦できます。
 
ロケットも、宇宙開発も、手が届かないものじゃない。
自分だってできるんだ!
だから、どんな夢もあきらめる必要なんてない!
 
そういう大会に育てていきます!
 
 
 

ダースノート。100年続きますように。

会社の荷物到着場所に、
Amazonで頼んだものが到着してるかな、と思ってみてみたら、
ずっしり重い箱が。
品名はチョコレート。
バレンタインデーでもない。
しかも、量が尋常ではない。
よくよく見たら、「ダース」って書いてありました。
 
先日、森永さんの「ダース」というチョコレートの、
イベントに招いていただけました。
そのお礼に沢山チョコレートが届きました。
僕としては、素晴らしい高校生の皆さんとの出会いを作っていただけたうえに、こんなお土産まで・・・ありがたすぎます。
うちの会社の仲間も大喜びです。
 
ダースノートの企画でのお話しのレポートも、
森永さんのサイトにありました。
とてもいい質問がどんどんでてきて、
僕自身もすごくよい学びになった学校です。
 
チョコレートやお菓子の会社が、未来の高校生のために、
こんな企画をしてくれていることに、本当に希望を感じます。
日本も、まだまだ捨てたもんじゃないです。
 
子ども達は、とても狭い世界の、憶測の常識しか情報が得られない状態です。
それは、子ども達の未来をとても狭めてしまいます。
このダースノートに登場してくる様々な人達は、
みんな、自分の意志で、自分の生き方をしています。
それは、「楽」や「安定」ではないように見えるかもしれません。
でも、この人口減少社会では、「楽」と「安定」には、未来はありません。(楽も安定も、人間の能力を低下させます。)
 
子ども達には、より多くの、多様な人生の情報が必要です。
このダースノートの素晴らしい企画が、ずーっと続きますように。
 
 

幸せラインは、自由だ!

今朝の会社の朝礼で、会社の仲間が、カラオケの自動採点についてのお話しをしてくれました。

基本的には、理想とする音階とメロディーから、外れると減点という仕組みだから、
プロが自分の曲をアレンジして歌うと点数が下がる、という現象が起きてしまいます。
(もちろん、この採点システムも日々進化してるとおもいます。)
僕は、こういう番組は、あんまり興味を感じないです。
僕は、プロが心を込めて歌う歌の方が好きです。(個人的な嗜好です。)
森繁久弥さんのオリジナリティーはすごかったです。)

似たようなことに、グランツーリスモという車のゲームの進路ラインがあります。
このゲームでは、コースごとの最速タイムのラインを画面に表示できます。
でも、僕は、ぜんぜんそのラインに乗っかれません。
というか、車によって、走行ラインは変わります。
もちろん、雨の量によっても変わります。実際なら、路面の温度も影響するでしょう。
その、様々な条件の中で「最適解」を探すのが、おもしろいのだと思います。

たとえば、スバルインプレッサや、ランサーエボリューションという、4WDの車は、
すごく走らせやすいです。コーナーリング中にも、加速も減速もかなりできます。
それは、とても速く、安心です。
こういう車だと、最速ラインに近づくと、確かにタイムがよくなる傾向があります。
でも僕は、フェラーリF40とか、ランチアストラトスが好きです。
まっすぐ走ってくれません。
オーバーステアの雨あられ。アクセルオンでもオフでもスピン。
直線でのブレーキングでもスピン。どうすりゃいいの。
絶対的な速さでは、4WDや、新しいマシンには、敵わないです。
でも、それをうまく走らせられたときに、すごく快感です。
もちろん、ハンドリングアシスト全部オフ。バラストもつまず、足回りもノーマルのまんま。が、最高に乗りにくくて、最高におもしろいです。
こうなると、完走できただけでバンザイです。幸せを感じるレベルがすごく下がります。
それは、僕の幸せです。

おそらく、人生についても同じことが言えるかも。
誰かが設定した「人生の幸せライン」から、外れたら減点。なんて指示されたら、
人生は楽しくないと思います。
雨も降る。風も吹く。雪も降る。猛暑にもなる。
自分の意志でどうにもならないことが起きても、
自分の意志で人生を操縦して、最適解を目指すのが、楽しい気がします。

国公立4年生大学の理系に進学して、官公庁で働いて・・・
から、ちょっとでも外れたら、負け組ですよ、なんてのはあり得ないです。

人生いろいろ。
僕は、自分の自由な幸せラインを追い求めていきたいです。

知らない人と話をするためには。

僕は、沢山の暴力を経験したから、人間が怖いです。
だから、パーソナルエリアが、とてつもなく広いです。
一人ぼっちが大好きです。

でも、そんな僕も、知らない人と会わなければいけません。
それは、かなりのプレッシャーです。
でも、対処法は二つあります。

まず一つは、対人関係用の自分を作ってしまうことです。
笑顔も、あいさつも、しゃべる内容も、ぜーんぶ、当たり障りない演技のルーチンにします。
しゃべる内容も、最小限。相づちとうなずきと。
これは、心配は少なくなりますが、ストレスはものすごく大きいです。
だから、これを続けると、爆発しそうになります。限界があります。

もう一つは、相手に自分を合わせようとするのではなく、自分を理解してくれる相手を探すことです。
そのためには、自分の思考や価値観を伝える事がいいと思います。
それを教えてくれたのは、外国の人達です。
僕の会社には、沢山の外国の人が来てくれます。
彼らが一様にほっとした顔になるのは、僕の趣味を知ったときです。
僕が趣味の話をすると、その趣味を知らなくても、興味と関心を示してくれます。
彼らに言わせると、趣味の話から、価値観や、思考などが、すごくよくわかるので、
安心できるのだそうです。
なるほど。確かにそうかも。
でもきっと、そのときの趣味の話が、自慢ではいけないのだと思います。
本当に、うれしそうに、自分の大好きなことを話すことがいいかも。

でも日本では、趣味は教育の妨げになる害悪である、と教える人が多いものだから、
趣味を持たない人が多いです。それどころか、趣味は害悪や無駄遣いだと思う人も多いです。
それは、おそらく、新しい人間関係を作る上での妨げになるような気がします。

これから、自動翻訳が実用化され、世界はもっとつながります。
そのとき、知らない人達と仲良くなるためには、趣味、って、ものすごく重要な
結合材になるような気がします。
自分の趣味を大切にし、他人の趣味も大切にする。
それができることが、これからのグローバル社会で必要かも知れないなと思います。

 

10年早いわ!なんて言う人は、さっさと追い越していこう!

10年早いわ!
 
というセリフは、漫画の中でしか見たことがなかったけど、
大人になってから、実際に言われたことがあります。感動しました。
 
その人は、電磁石に関して、かなり自信と経験のある人でした。
だから、駆け出しの、電磁石を作り始めたばかりの僕に、「10年早いわ」と言ってくれました。もちろん、いい意味ではないです。
 
僕は、電磁石の中を通過する磁気の流れが、流体の流れにとても似ている、と思いました。
だから、電磁石の解析に、流体の解析を混ぜた、新しいプログラムを考えました。
それが、その人にはおもしろくなかったようです。
 
でも、その人だって、何年電磁石に関わってんの?って調べたら、
確かに、僕より10歳くらい年上だったから、物理的に10年早いのは事実です。
 
でも、その10年の間に、コンピューターも進化し、材料も進化しました。
だから、残念ながら、僕の考えた電磁石の最適化設計プログラムは、電磁石の設計に関しては、その人との経験の差を、急激に埋めてしまったようでした。
だから、悔しかったのだと思います。
 
世の中には、年齢の差を力の差として押しつけてくる人が少なくないです。
そういう人は、たいてい、現在努力していない人です。
なぜなら、日々、新しい情報は増えています。それは、老いも若きも、同時に手に入れられます。
経験も同じです。同じ時間を過ごしていますから、老いも若きも、経験を増やせます。
で、若きに追いつかれるのが悔しくて、「10年早いわ」と、「経験年数の差」を主張する人は、
追いつかれちゃってるわけですから、現在努力をしていない人です。
 
もちろん、経験のない人が、一足飛びに挑戦しようとして、それが危険だと思ったなら、
段階を踏ませるアドバイスは必要です。
でもそのときのセリフは「10年早いわ!」ではないと思います。
僕らがすべきは、後から来た人達を、自分以上に押し上げることです。
それをやらないと、社会は衰退する一方です。
 
何歳になったって、若い人と同じように学べます。経験もできます。
以前、東大で、宇宙が大好きな大学生が集まる集会に参加しました。
そのとき、彼らの熱気と努力に、確かに嫉妬を覚えました。
そして、一緒に行った会社の仲間と話したことは「とりあえず、走るしかないね。」です。
 
「後から来たのに追い越され、泣くのが嫌なら、さあ歩け!」です。
水戸黄門の歌はいいね。


 
 
 
 

自由な思考のために

昨日来てくれた小学校は、ちょっと変わっていました。
 
とにかく先生が、子ども達に考えさせる努力をしています。
 
たとえば、お昼休みの時間に、何するのかな?と問いかけたり。
 
子ども達は、ちょっと戸惑っています。
その戸惑いは、とてもよくわかります。
子ども達は、「間違った答えを言わないように」心配をしているのです。
 
本当は、お昼休みに何をするの?と尋ねられたら、
まずは、自分のしたいことを言ってみるといいと思います。
僕だったら、「ご飯食べる」と言います。
同時に、ご飯食べるためには、机の上を奇麗にしないと・・・とか、
手を洗わないと・・・とか、お弁当を受け取るためには、どうしたらいいかな?
お弁当をみんなが取りに行ったら混雑しそうだな・・・
お弁当を落とさないように持って帰ってくるにはどうしたらいいかな・・・
が、怒濤のようにあふれてくると思います。
 
だから、最後のあいさつで、子ども達にちょっとだけアドバイスしました。
「大事なことは、間違わない、ことじゃなくて、自分がどうしたいか、だよ。」
 
「考える」ことの重要さに気がついている先生のもとで、
この子達は、きっと、新しい時代に対応出来る、
思考できる人になるんだろうな、と思いました。
 
僕は、いろんな学校に行きます。お話しの後で質疑応答の時間もあります。
多くの子どもが「変な質問なんですけど」「くだらない質問ですけど」と言い訳してから
質問をしてくれます。
僕は、都度「変な質問はないよ」「くだらない質問はないよ」と伝えます。
僕は、質問をされたら、必死で考えます。
だって、たいていの質問が、僕の想像の中にないからです。
でも、多くの大人は、自分が準備していない質問をされたら、困るようです。
その「困った」状態の原因が、「わからない」だと認識します。
そして、「大人なのに、わからないのは恥ずかしい」という思考をして、
そういう質問を「くだらない」「いまするべきじゃない」「へんだ」と
切り捨ててしまうのかもしれません。
 
「わからない」を恐れるあまりに、「わからないこと」を「くだらない」「間違っている」と切り捨てると、人間は思考できなくなるかもしれません。
そして、切り捨てられた人も、自動的に「わからない」を恐れるようになります。
やがて、世の中は、「未知」をおそれ、バカにするようになるのかも。
「ちがう」を「おかしい」「へんだ」と差別するようになるのかも。
 
だから、子ども達の質問や、思考を、ジャッジしないでほしいと思います。
子ども達の、自由な思考を支えて伸ばしてあげてほしいと思います。