植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

「命令」じゃなくて「頼み事」

「静かにしろ!」と怒鳴って静かにさせていると、
「静かにしろ!」と指示されないと、静かに出来ない人になります。
さらに、本当は、静かにするのは、「なにかのため」です。
説明を聞くとか、話を聞くとか・・・
その意味を説明せずに、「状態」だけを指示していると、
そういう人たちは、「静かにするだけ」になります。
その後の大切な説明を聞いていなかったりします。

子ども達は、
先生がちぐはぐな指示を出したり、
矛盾した指示を出したり、
無駄に時間をロスする指示を出したりすると、
納得できません。
急げ急げ言ってるくせに、何かあるたびに先生達が円陣を組んで会議をはじめてしまい、どんどん時間をロスしたりしてると、
「急げって言っといて、自分たちが時間ロスしてるじゃんよ!」と思うわけです。

だから、やんちゃな子達は、そういう矛盾した非効率な指示を出す先生の指示には、適切に妨害をします。
「静かにしろ!」と言われたら、静かになったあたりを狙って、
周りの子にちょっかいを出したりします。
「早く動け!」と移動を指示されたら、可能な限りゆっくり移動します。
精一杯の、サボタージュによる意思表明です。

まあ、当然、ますます先生は怒るわけで、
ますます無駄な締め付けや、管理や、怒声になります。
悪循環です。

生徒は人間です。
いろんな事を考えます。
ただ命令に従わせればいいというものではありません。
なぜ静かにしたらいいのか?
なぜ急いだらいいのか?
その意味を伝えないで、命令だけだと、生徒は反抗します。

でもそれって、会社もおんなじような気がします。
大人も一緒です。
一方的な命令は、思考力を奪うと思います。
「なぜ」をしっかり伝える指示の仕方がよいと思います。
僕は、会社の仲間に何かを頼むときは、背景や事情を説明するようにしています。僕自身、そういうのがわからないと、やる気なんて出ませんし。
というか、そうか、僕は命令したくないです。僕は頼みたいです。
会社においても、社会においても、一方的な命令なんて、もはやかなり少ないです。
大事なのは「頼み方」かもしれません。
正しい「頼み方」を習っていない子達は、社会に出てから、
人に頼み事ができなくなって、全部自分で抱えて、爆発してしまうのかも。
「頼み方」って、すごく重要なスキルかもしれません。