植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

ペンギン製造機

 

北海道は、久々に良い天気が続いています。
なんでも、明日はまた雨らしいけど・・・

今日も沢山の子達が来てくれました。
みんな朗らかで、優しい子達です。

でも、いつもそうとばかりは限らないです。

時々、ペンギンの群れのような子達もやってきます。
どんなかんじかというと、
みんなぼーっと突っ立ってる感じです。
行動は、ペンギンの行進のごとく、ゆっくりです。
入り口で渋滞。出口でも渋滞。どこでも渋滞。

ペンギンの群れのような子達には、先生もいらつくようです。
「さっさと歩け!」「もたもたするな!」
という怒号がかかります。
でも、こんなので動くわけないです。
だって、先生は、列の後ろの方から叫んでいます。
一番大声で怒鳴られるのは、先生のそばの子達です。
でも、その子達は、前が詰まってるから動けないだけです。
それを怒鳴られたって、「動けねーよ」としか思えないです。
そういう先生の言う事なんて、聞きたくないです。
だから、ささやかなサボタージュをします。
それは「だらだらうごく」です。「だりい」です。

命令と、指示は違うような気がします。
僕の勝手な解釈ですが、僕は、
なぜそうするのか?を明確にしてるのが指示かな。
余計なこと考えないで、言われたとおりにやれ!は命令かな?
と、使い分けています。というか、そういう意味では、命令は、なるべくしないように気を付けています。
なぜなら、思考停止を伴う命令は、
思考能力を奪ってしまうからです。

しかも、的外れで、本質的ではない命令は、反感を買うだけです。
しかも、そういう命令にさらされた子達は、
自分で主体的に行動するのをやめてしまいます。
自分で考えて行動して怒られるくらいなら、
命令されるまで何もしない方がとくです。

自分で考えることをやめてしまった子達は、
未来を予測することもできなくなります。
浅はかな行動をとるようになります。
自分の将来の事も考えられなくなります。
でも、そういう子達を育てたのは、「余計なこと考えないで、言われたとおりにやれ!」という、大人の行動だと思います。

小学生は、移動が素早いです。主体的で行動的です。
それが、中学生あたりから、一気にペンギン化が進みます。
そして、ペンギン率が高い学校の先生は、怒鳴っています。

ブラックホークダウンという映画があります。
ソマリアでのアメリカ軍と、ソマリア民兵の戦争を描いた、
実話を元にした映画です。
アメリカは、レンジャー部隊と、特殊部隊のデルタフォースの混成部隊です。
レンジャーは、とにかく命令に忠実です。
デルタフォースは、自己判断で身勝手です。
でも、レンジャーは、指揮官を失ったとたんに動けなくなります。
デルタフォースは、一人でも行動可能です。その方が、生存率が高いそうです。
この戦闘のあと、アメリカ軍は、戦争には、少数精鋭の特殊部隊を主に使うようになり、レンジャーといえども、前線にはあまり出さなくなったとも言われています。

人生は、自分のものです。
自分で考えて、判断して、行動しなければいけません。
だのに、その能力を育てないと、まずいとおもいます。
命令だけでは、もしかしたら、人生を送れない人間を作ってしまうかもしれません。

子どもを管理するだけではなく、
子どもを人間として育てるための機能が、学校には必要だと思います。
いやいや、そんなの、家庭の問題だ!
と思う人もいるかもしれないけど、
それができない家庭の子は、アウトでいいのですか?
そういう子を救う役目が、義務教育にあるんじゃないの?
教育基本法の第一条には、「義務教育は受験対策のため」とは書かれていないと思うけどね。