植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

文化財保護

19日、日曜日。
Torfeo Tazio Nuvolari In Hokkaidoというイベントが、
赤平の植松電機に立ち寄ってくださいました。

まあ、すばらしい名車が続々と走ってきます。動いています。
世界に一台しかない車さえ・・・

そして、僕の憧れの、フェラーリF40も、
でっかいトランスポーターでやってきました。
僕に見せるために、わざわざ運んできてくれたそうです。
信じられない。嬉しすぎです。

実物は、なんて美しい車でしょう。
写真しか見たことなかったから、感動はひとしおです。
写真、撮りまくりです。
(完全に、プラモ視線の局部ドアップばかりですが)

いまから、何十年も前に、
まだ、コンピューター制御の機械加工が無い時代に
すごい車が作られていたことを忘れてはいけないです。
しかもそれを、動く状態で維持している人たちの行為は、
もはや趣味ではなく、文化財保護です。すごいことです。
このF40も、ボルトに至るまでオリジナルパーツにこだわって
保存しているそうです。すばらしいです。

僕らは、便利な時代を生きています。
アポロ計画時には想像もつかなかったほどに高度になった世界で生きています。
だから本当は、もっともっといろんなことができるはず。
それを食い止めているのは「自分なんて・・・」と「どーせ無理」かもしれません。

最後に、ちょっとだけ植松電機のことを説明して、
モデルロケットを打ち上げてもらいました。
「このボタン押したい人!」と言い終わらないうちに手を挙げたのは、かっこいいオープンのレーシングカーに乗って来られた、素敵に日焼けされた年配の紳士です。いや、正確には、かなりおじいちゃんです。
ニコニコして、真っ先に手を挙げてくださいました。
僕は、じいちゃんが大好きだったので、なんだか、本当にうれしかったです。
ロケットも記念に持って帰ってくださいました。
でも、あの車、ほろさえなかったからなあ・・・
「雨降ったらどうするの?」と尋ねたら「レインコートがあるから平気」と軽くおっしゃっていました。

国家の力は、その国に暮らす人の力の総和だと思います。
そして、その国で生きた人たちの努力の蓄積だと思います。
走る文化財とも言える、このようなすばらしい車を維持している人たちは、人類の努力を蓄積しようとしてる人たちです。
だから、街中で、そういう車を見かけたら、
「なんだ、いい歳して、あんな車に乗って、目立ちたがりの金持ちめ!」と思わずに、
「あの車を走るように維持するなんて、すばらしい文化財保護を私費でやってる人たちなんだ!」と思ってあげてほしいです。

すくなくとも、僕はそう思っています。
僕は、こういう人たちを応援します。

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