植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

学びとは、「教えてもらう」ではなく、勝手な連想かも。

昨日は、中小企業家同友会空知中央地区会の例会でした。
何をしたかというと、「カヌー」に乗りました。

空知中央地区会では、
自分が希望して学ぶことは、所詮は想定の範囲内でしかない。
自分が希望しないことをやってみてはじめて、意図せぬ成長ができる可能性がある。
と考えて、「やったことが無いことをやる」に力を入れています。

今年は、座禅、盆栽、と続いて、カヌーです。

僕にとっては、人生初カヌー。

カヌーと言えば、不安定。転覆。溺死。くらいしかイメージが無かったので、
自分からは乗ろうなんてまったく思ってもいませんでした。
だから、着替えは全取っ替え分用意しました。
本当は、水中めがねとシュノーケルも持参したいほどでした。

場所は、滝川市のB&G海洋センター。
施設の方々が丁寧にパドルの操作の仕方を教えてくれた後は、
基本的に自由でした。

すごい不安を感じながらも、水の上にでてみたら、
初心者用の幅の広いカヌーだけあって、想像以上に安定しています。
しかし、僕は、手こぎボートしか漕いだことがありません。
手こぎボートは、後ろに進むのが当たり前でした。
でも、カヌーは前に進みます。それがすごく違和感でした。

でも、真っ平らな水面。上を見たら青空が天高く抜けています。
すごく静かです。川面を渡る風が気持ちいいです。
と、リラックスしたので、漕ぎます。

小さい頃から、ベン・ハーという映画が好きです。
ベン・ハーといえば、ガレー船による海戦。
100人を越える奴隷が、船のオールにしがみつき、
監督官の「ラミング・スピード!(突撃速度!)」という大声と、
テンポを合わすための槌の音。
それが心の中で響きます。
で、遮二無二漕ぎます。楽しい。

見ると、競技用とおぼしき幅の狭いカヌーもいます。
アメンボのようにすごい抵抗なく水面を滑っていきます。
乗ってみたいなあ。
(ただし、めちゃめちゃ不安定だと思います。)
今回、サポートをしてくれた、同友会のメンバーは、普段は渓流下りなどもするそうです。
速い流れ、浅瀬、滝、いろんな条件を瞬時に判断して、
コースを考えるのは、経営に似ている、と言いました。
同感です。

僕は、スキーや自転車が好きです。それも、競技をやると同じようにコースを考えます。
グランツーリスモという車のゲームも同じです。
アクセル踏めばいいというものではないです。
一つ一つのコーナーを独立して考えてもいけません。
あるコーナーで無理をした結果、3つ後のコーナーでコースアウト。なんてよくあります。
トータルのタイムを短縮したければ、コース全体を見通して、
「最適解」を見つけ出すのが大事です。

でも、そう思っていて、ふと考えました。
きっと、こういう連想は大事なんだな、と。
会社経営と、カヌー。ぱっと見は、まったく関係ないです。
会社経営は仕事。カヌーは遊び。と思えるでしょう。
でも、どちらからも学びがあり、どちらにも活かせます。
この、まるで関係ない事柄の中に、共通する何かを見いだし、活かす、というのは、
もしかしたら、練習しないとできないかもしれません。
でも、できたら、思考力の幅が広がるのだと思います。

僕は、2005年の3月に、生まれて始めてカムイロケットの打上に関わりました。
きっと失敗すると思っていた小さいカムイロケットが、
ものすごい轟音を響かせながら、必死に天に昇っていきました。
僕はその姿を見たときに、「あんなに頑張ってる機械を見たことがない。」と思いました。
そして「自分はあんなに頑張れてるかな。」と思いました。
頑張ってるカムイロケットが美しく見えました。
僕もそうなりたいと思いました。
これは、僕の勝手な連想です。
でも僕は、このおかげで、もうふた踏ん張り頑張れるのだと思います。

どんなことからも学べます。
でもそれは、「教えてもらえる」ではなく、「自分で勝手に連想して活かす」かな、と思います。
そういう「学び」って、とても大事だと思います。
空知中央地区会のメンバーは、比較的年が若い人が多いです。
みんな、独自に学び、独自の感性と思考に基づいて、様々なチャレンジをしています。
その姿が、お互いの刺激になります。そして、遊びつつ学びます。
空知中央地区会に入ると、そういう修練ができますよ。