植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

「もうだめだ」じゃない。まだできることがある。

今日は、神戸の村野工業高校でお話をさせていただきました。
もう何度も、修学旅行に来てくれています。
人数が、植松電機の受け入れキャパを超えているので、
1学年全員が入りきりません。
そこで、校長先生が、学年全員に話を聞いていただけるチャンスを、わざわざ作ってくださったのです。
本当にありがたいことです。

村野工業高校は、ちょっと調べると、偏差値が41だそうです。
僕自身は、偏差値にはまったく興味がないのですが、
この偏差値を、人間の価値だと思い込まされてしまってる人も少なくないようです。

僕は、北見工業大学に行きました。
そこで教えられたのは、「ここは国立工業大学の墓場だよ。」ということでした。
確かに、北見工業大学は、国立工業大学の中で、一番偏差値が低かったです。
僕はそこに、かなり頑張って勉強して合格しました。
だから、僕はうれしかったのです。
これから新しい世界で頑張ろう!と思っていたのです。
しかし、もっと頭がいい都会の子たちは、
もっといい学校を受験して、落っこっちゃって、しょうがなくここにきてしまった。のです。
そういう子たちは
「この学校に来た段階で、俺の人生終わった。もうだめだ。」と思い込まされています。
そして、それを僕にも強制するのです。
「こんな学校で、どんなに頑張ったって、飛行機の仕事なんてできるわけないじゃん。」
とても辛かったです。
でも、実際には、僕は飛行機やロケットの仕事ができました。

大学を卒業して、社会に出て、そして、また改めていろんな大学の教授と仲良くなって、大学の内容は入学時の偏差値の影響をほとんど受けない、ということを知りました。
学会で論文発表するときは、どの大学も等しい立場なのです。
入学時の偏差値でヒエラルキーを感じてるのは、学生くらいです。
そして、その偏差値ヒエラルキーを叩き込むのは、
中学や高校の先生や、保護者かもしれません。

大事なのは、「どの学校にいったのか?」ではなく「何を学んだのか?」です。
高校にいる3年間や、大学の4年間、専門学校の2年間、それを、いかに能力向上のために使えたか?が勝負です。

「こんな学校に来ちゃったから、努力したって、たかがしれてるよお。」と愚痴りながら、ぼんやりと流されるままに、同じ日々を3年間繰り返して過ごしてしまうと、置き換え可能な人にしかなれません。

僕が工業高校に通うなら、今の工業高校は設備がとてもいいから、頼み込んで、どんな機械も使い込ませるようになるでしょう。
授業でやるだけよりも、もっと多くのことを学べるはず。

「自分なんて、もうダメだ・・・」と思ったところで、ストップします。
でも、もうダメじゃないです。まだできることがあります。

今日、最後にお礼の言葉を言ってくれた生徒代表の彼。
力強く、しっかりと、自分の言葉で、自分の決意を語ってくれました。もう、それだけで泣きそうになりました。

今日聞いてくれた子たちが、10月に北海道に来てくれます。
寒くないといいなあ。天気だといいなあ。
彼らのために、祈ります。