植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

「若造が!」なんて言葉に負けなくていい。

僕は、34歳でリサイクル用のマグネットを作る会社を興しました。
マグネットの開発は、30歳くらいからはじめました。それまでは、電気や磁気の知識はほとんどありませんでした。
 
で、会社をはじめて3年目くらいの時に、競合する会社とけんかになりました。
本当は競合しないんだけど、向こうが競合と見なしたようです。
その相手は、50代くらいだったと思います。
初っぱなから、「若造」呼ばわりされました。
 
その人からは、最初は特許侵害だと言われました。
だから、特許侵害ではないことをせつめいしても、
「経験も実績もない若造が、偉そうなことを言うな。」
の一点張りでした。
 
やがて、特許侵害の件は収まりましたが、
植松電機のマグネットについても、さんざんなことを言われます。
だから、開発の目的やコンセプトについて説明します。
でも、「経験も実績もない若造が、偉そうなことを言うな。」
の一点張りでした。
 
だから、じゃあ、いったいいつからマグネットに関わってるのかと尋ねたら、25年だそうです。
 
僕はそのときマグネットに関わって7年しかたっていませんでしたが、何しろ、リサイクルという市場自体が、2000年に施工された建設リサイクル法という新しい法律に基づいています。ということは、この分野での経験値は、僕となんら変わりない、ということです。
それに気がついたときに、その人が言う「若造が!」という言葉が気にならなくなりました。
 
「男子、三日会わずば刮目してみよ。」という言葉があります。
とってもジェンダーな言葉ですから、僕はこれを、
「人間、三日会わずば刮目してみよ。」にしたほうがいいと思ってます。
これは、ごく短時間でも、人は変わるし、世界も変わる、という意味だと思います。
そう。人間の思考も変化します。世界の常識も変化します。
だから、「これまでのこと」でとやかく言ってもしょうがないです。
大事なのは「これから」です。
 
これから、新しく社会に出る人達は、きっと僕と同じように、「経験も実績もない若造が、偉そうなことを言うな。」
と言われることもあるでしょう。
でも、そんなこと言われても、凹む必要は無いです。
わからないことがあったら、会社の帰りに本屋にいって、
それに関する本を探して、一晩で読めば、
おそらく、昨日とは全くちがう自分になっています。
 
経験も実績もないのは事実です。でも、これから、
経験と実績は積み放題です。
 
そして、先輩方に一言。
あきらかに、科学が発達し、情報が増えた現在の時間の価値は、
昔よりも遥かに濃密です。
てことは、過去の努力や成果にすがっていても、
これから頑張る人間には、軽く抜かれる、ということです。
後から来たのに追い越され、泣くのが嫌なら、
後輩つぶしてるばあいじゃない。さあ歩け。