植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

自分の現状の不満をあきらめず、改善の努力をした方がいいよ。

僕は、いろんな人に出会います。
いろんな学生さんにも出会います。
 
そこでわりと頻繁に感じる悲しさがあります。
それは「自分なんて・・・」です。
 
偏差値55の学校の子達が、「自分なんて、こんな成績だから、未来は無いです・・・」とつぶやきます。
えー。僕の高校、たしか、偏差値40程度だったと思うけど・・・。
僕の学校にいたら、君は優等生だよ・・・。
だのに、なんで、君は自分以上と自分を比べて落ち込むの?
自分以上と自分を比べたって、勝てっこないじゃん。
 
僕は大学生の時、自己紹介で「僕は飛行機やロケットの仕事がしたくてこの学校に来ました!」
といって見ました。
そうしたら、「こんな偏差値の低い学校に来た段階で、飛行機やロケットなんでできるわけ無いじゃん。」と教えてくれた子がいました。
彼は、もっといい学校を受験して、落ちて、しょうがなくこの学校に来てしまった・・・とぼやいていました。
でも、結果的に僕は、その学校から、飛行機やロケットの仕事に就きました。
 
なぜ、20歳にもなる前に、「自分なんて・・・」と、人生をあきらめてしまう子がいるのか?
その原因は、まわりの大人のコンプレックスだと思います。
 
この成績では無理だ。
お前の頭でできるわけが無い。
こんな学校に行ったら、未来なんて無いよ。
お前は、この学校にしか行けない。
お前には、進学は無理だ。
 
学歴や成績で、人生が決定される、と思い込んでいる人達が沢山います。
その人達に共通しているのは、自分の学歴や成績と、現在の自分の状況へのコンプレックスです。
自分は学歴が低かったから、成績が悪かったから、いまこんな苦労をしているんだ。
だから、お前には、そういう思いをしてほしくないんだ。
という思い込みで、子どもに高学歴を押しつける人がいます。
でも、自分は高学歴を経験していないから、実際に高学歴だと幸せかどうかは知りません。
あくまでも、「憶測」です。
自分の学歴や、現在の状況へのコンプレックスが、別の形で作用する人もいます。
こんな程度の成績なら、夢とか希望なんて、叶うわけが無いよ。人生は甘くないよ。
あんたは俺の子なんだから、勉強したって、しょせんムダだって。
と、「自分の経験」を教えてくれる人もいます。
 
こういう人達は、現在の自分が置かれている不遇な状態の原因が、成績や学歴のせいだと思い込んでいます。
そして、成績や学歴は、さかのぼって改善できないと思っています。
だから、過去を変えられないから、自分の現状も変わらないと思っています。
だから、できることは、愚痴ることです。だけど、状態は改善されません。

現在の自分の状態が不遇であるなら、その原因を考え、できることをすべきです。
問題を「何かのせい」にして、思考停止してしまうと、問題は解決しません。
 
たとえば、今の仕事の給料が安すぎる、と思ったら、
まずは、経営者や上司に、その給料の根拠や、なぜもっとお金が必要なのかを、相談してみることです。
その話し合いのなかで、改善すべき点がわかることがあります。
その点を改善する努力を試みるのは、双方です。
でもね、たとえば、給料がわかってるのに、高価な車を高い金利で買って、支払いがきついのに、さらにインチアップホイールと超扁平タイヤをローンで買って、おまけに携帯電話の脇見運転で車ぶつけて、保健にも入って無くて修理もできなくて、またちがう車を買わないと出勤もできないし・・・みたいなケースの場合は、どこを改善しようかなあ・・・悩むね。
こういう人は、まずは、足し算引き算と、金利の計算の勉強をすべきかと思います。
 
今の仕事が忙しすぎると感じたら、なぜ忙しいのかを考えるべきです。
そして、健康や意識レベルにまで悪影響があるほどの忙しさであったなら、やはり上司や経営者に相談すべきです。
だって、意識レベルに影響が出るほど忙しいと、やがてミスをします。作業そのものの質も低下していきます。その損失の方が会社にとっては痛手になります。
その説明をしても理解してもらえない会社は、遠からず、ミスをやらかして傾く可能性がありますから、脱出の準備をした方がいいと思います。
 
僕は、以前、リサイクル用のマグネットの開発をしているとき、リサイクルの現場を沢山見ました。
そして、働いてる人達に話を聞きました。
そこで僕は、様々な問題点を見つけます。
でも、働いている人達は、
「え?だって、仕事だからしょうがないよ。そういうもんだよ。」
「どうせ、自分たちが言ったって、改善なんてされるわけ無いんだ。だからしょうがないんだよ。」
と言うだけでした。
でも、このセリフは、そこら中で聞くセリフです。
 
お金や収入に関していえば、
僕は、34歳で会社を経営したものの、莫大な借金を返すために必死でした。
時には、隣のレジの支払いをしている人の財布の中のお札が気になってしょうがない事もありました。
毎月の支払いのことだけ考え、表を書いて、ギリギリで資金を回してきたこともあります。
でも、そんなときでも、気を付け続けたのは、自分の能力を向上させることでした。
厳しい状況に負けて、自分の能力が低下したら、収入はさらに減ってしまうのです。
だから、厳しい時も、「知恵と経験と人脈」がプラスになる道を考え続けました。
本を読み、やったことが無いことをやり、人と関わる努力です。
そして、それは、僕を裏切らなかったと思います。
 
お金は、もらうものではありません。
お金は、自分に詰まっています。自分のマンパワーです。
それを現金化する手段が、「労働」です。
そして、「労働」には「変換レート」があります。
「能力」が高いと、レートが上がります。「能力」が低いと、レートが下がります。
その「能力」には、希少価値もあります。
「普通」だと、一番安いのが選ばれます。だからこそ、ちょっとちがう努力が必要です。
でも、指示されたことを、指示されたとおりにやってる限り、「ちがう」にならないです。
自分で考えて、自分で試すのです。それが「ちがい」を生み出します。
 
もちろん、ルーチンが決まってることで、勝手に変えたら大問題です。
だから、完璧にルーチン化された仕事では、能力を向上させる意味がないように思えます。
(あと、そういう仕事は、遠からず自動化されるので、はやめに脱出を考えた方がいいです。)
でも、どんな仕事にも、ルーチンになっていない部分はあります。
そこで「ちがう」をアピールしていくことは不可能では無いです。
 
また、趣味の人脈も重要です。
趣味で仲良くなった人が、どこかの企業の経営者だったりする可能性は充分あります。
その人と仲良くなれば、新しい可能性が広がるかもしれません。
縁故は、作れるんです。
 
現状が厳しいと思っている人は、もしかしたら、ここのところしばらく、新しい人間関係が増えていないとか、新しい経験ができていない、かもしれません。
もし、そうかも・・・と思ったら、ラッキーです。
新しい人間関係や、新しい経験で、自分の現状を改善できる可能性があります。
 
現在の自分の状況にコンプレックスを感じるなら、それを放置せず、改善する努力をした方がいいです。
コンプレックスを放置したままだと、自分の未来が危ういどころか、自分の周囲の人の、未来や可能性をつぶす危険性があります。過度の学歴や成績への依存のもとになることもあります。
 
だからこそ、やっぱり、問題は解決する努力をしたほうがいいです。