言論の自由
図書館戦争という映画を見ました。
以前から気になっていたのですが、なかなかチャンスが無く、
ようやく見ることができました。
悪書と指定された本が、良化隊という組織によって、
どんどん集められて捨てられていきます。発行禁止になります。
そのため、本屋さんがどんどん廃業していきます。
その中で、図書館だけが、読書の自由のために、
良化隊に立ち向かう、という、架空の世界の話です。
僕は、本が大好きです。
だから、小さい頃は、図書館で働きたいとも思っていました。
だから、図書委員は大好きでした。
本の修理の仕方なども、習うことができました。
(昔は、ぼろっちいハードカバーの本は、修復して使っていました。)
だから、図書館戦争が、どんなお話しなのかは、とても気になっていました。そして、この映画を通して、
「言論の自由」について考えさせられました。
僕は、講演やfacebookなどで、いろんな事を発信します。
それは、不特定多数の人に向けて・・・というか、
言うなれば、特定の対象者のいない、独り言のようなものです。
それを、読むも、読まないも、自由です。
僕は、本屋さんで、いろんな本に出会います。
「うわ。こんな本、買う人いるんだ。」と思うような本もあります。
でも、それが本として出版されているということは、
読者のニーズがあるということです。
それは、すごいことだと思います。
だから、僕がその本の良さを理解できなくても、
その本を否定する必要は全くないです。立派なビジネスです。
僕は、ネット上に存在する、様々な人の発信も、
僕は、ネット上で、教育のことや、児童虐待や、体罰について調べることがあります。
そのときに、体罰を肯定する記事も目にします。
でも、その人に直に文句を言う必要はないと思っています。
だってそれは、その人の言論の自由です。
僕は、その自由を奪うことは許されません。
だから僕は、僕のサイトで、僕の言葉で、体罰の問題点と、
時々、僕の記事に、「メッセージ」が届きます。
「コメント」では無い理由が書かれています。
そういう人たちは、過去に、誰かの記事に共感してコメントを書いたら、そのコメントを、全く縁もゆかりも無い他人に強く批判されて、ネット恐怖症になってしまっているそうです。
そのため、他の人の目にさらされない「メッセージ」で感想や、連絡をとってくれているのです。
ブログをやっていたけど、批判がひどすぎてやめてしまった。
以来、怖くて、何も書けなくなってしまった。
という人たちからも、何度もメッセージをもらっています。
僕は、言論の自由は大切だと思っています。
しかし、特定個人に向けての発信は、言論の自由とは切り離して考えるべきだと思っています。
特定の個人の発言や発信に対して、直接的に批判や反論をするのは、その人との会話になると思います。
会話をするのであれば、当然のように、人間関係としての礼儀やマナーを大切にすべきだと思います。
「匿名」なんて、会話の土俵のも乗らない行為です。
そして、相手がその会話に応じたくないのならば、その会話は成立しない、であるべきだと思います。
子ども達にロケットを作ってもらい、自由にデザインをしてもらうとき、まったくデザインできない子達がいます。
理由を尋ねると、「何かを書くと、何か批判されるから」と言います。
何をデザインしようが自由なのに、デザインを否定されます。
それは、表現の自由を侵されている状態です。
そして、批判する子は、何もデザインしていないのです。
自分は何もデザインしないから、批判を受けません。
だから、他人のデザインには、文句付け放題です。
それは、言論の自由でもなんでもないと思います。
ただの、一方的な他者への攻撃です。
言論の自由とは、特定の個人を攻撃したり、批判したりしない範囲で尊重されるべきだと思います。
(新聞などが、特定個人の犯罪などについて、事実を伝えるのは言論の自由です。しかし、その事実の根拠が乏しく、内容が事実と異なっていた場合は、重大な責任を負うことになります。)
自分が納得できない他人の意見を、「間違ってる」「おかしい」といって、攻撃するのでは、図書館戦争の「良化隊」と同じようなものだと思います。
誰かの意見を納得いかなかったら、自分で納得のいく理論を、自分の方法で自分の言葉で不特定多数に示せばいいと思います。
自分の言論の自由を尊重するためには、
他人の言論の自由を尊重すべきだと思います。
この単純なことに気をつけるだけで、
インターネットは、当たり障りのないことを、おそるおそる書く場所ではなく、
世界とつながる、すばらしい、個人の自己表現の場になると思います。
いろんな事を考えられました。
考え始めたばかりなので、まだ十分煮詰まっていない思考かもしれません。
でも、いずれにせよ、図書館戦争は、僕に新しい思考のきっかけをくれました。
映画がおもしろかったから、コミックスも全部買ってしまいました。読むのが楽しみです。